標準オブジェクトとカスタムオブジェクト その2

標準オブジェクトのアーキテクチャとリレーションモデル その2


【リード】

  • 見込み客や潜在的な商談のこと。
  • 商談会で関心を示した人や、会社の Web サイトのフォームに必要事項を記入した人が該当。
  • [リード] タブから手動入力、システム管理者がリードをインポート、Web-to-リードを設定して会社の Web サイトから情報を収集することが可能。
  • ユーザもキャンペーンインポートウィザードを使用してリードをインポートできる。ユーザ情報の [マーケティングユーザ] チェックボックスがオンになっていて、かつ「マーケティングユーザ」プロファイルを持っている (または「リードのインポート」権限およびキャンペーンの「編集」権限を持っている) ことが必要。
  • [リード] タブではリードを作成、編集し、行動や ToDo をリードに関連付けることができる。
  • 条件に該当するリードを取引先、取引先責任者、および必要に応じて商談に変換することができる。
  • 従来のリードデータに潜在顧客のソーシャル情報を追加することもできる。ソーシャル取引先とソーシャル取引先責任者の機能を使用して、リードのソーシャルネットワークプロファイルと他のソーシャルデータを Salesforce で直接参照できる。
  • リードの管理

 ・リードの分配を管理しやすいように、リードのキューを作成する。
 ・自動的にリードを割り当てることができるように、リードの割り当てルールを
  設定する。
 ・Web サイトから自動的にリード情報を取得できるように、Web-to-リードを
  設定する。
 ・組織にある既存のリードデータをインポートする。
 ・リードの取引を開始するためにリードのカスタム項目を他のカスタム項目に
  対応させる。
 ・[リード状況] 選択リストを編集して、新規リードと取引が開始後のリードの
  デフォルトの状況を選択する。

  • 取引の開始

 ・リードを取引先、取引先責任者、および商談に紐づける。
 ・リード詳細ページから、[取引の開始] をクリックして取引を開始。
 ・リードのすべての活動予定と完了した活動は、取引先、取引先責任者、
  および商談に添付される。
 ・レコードの所有者を割り当て、フォローアップ ToDo のスケジュールを
  設定できる。
 ・新しい所有者を割り当てた場合、その所有者には、活動予定のみ割り
  当てられる。
 ・リードのカスタム項目がある場合、その情報を取引先、取引先責任者、
  または商談のカスタム項目に入力できる。
 ・取引開始済みリードは参照できなくなり、リードレポートに表示
  される。
 ・取引開始済みリードに含まれる選択リストの値が変更されると、
  Salesforce は、取引開始済みリードの [最終更新日] システム項目
  と [最終更新者] システム項目を更新する。
 ・リードからのすべてのメモと添付ファイルは変換されて、新しい
  取引先と取引先責任者に添付される。
 ・リードからのすべての活動予定と活動履歴は変換されて、新しい
  取引先、取引先責任者、および商談に添付される。
 ・取引を開始したリードのデータはレポートには関連付けられて
  いるが、参照することはできない。


【ケース】

  • 顧客のフィードバック、問題、質問に関する説明。顧客の問題の追跡および解決に使用。
  • [ケース] タブでケースを作成、編集、検索および表示できる。
  • 企業の Web サイトと顧客のメールから得た顧客のフィードバックをまとめるには、次の設定を行う。

 ・Web-to-ケース
 ・メール-to-ケースまたは、オンデマンドメール-to-ケース
  ・Web およびメールで生成されたケースは有効なケース割り当てルールの
   条件に基づいて、ユーザまたはキューに自動的に割り当てられる。
  ・割り当てルールの条件に一致しないケースは、サポートの設定で指定
   されている[デフォルトのケース所有者]に自動的に割り当てられる。

  • 顧客もカスタマーポータル、セルフサービスポータル、または Chatter Answers でケースを作成できる。
  • ケースを担当する担当者が手動で [引き受ける] か、自動で割り当てられると、所有者が変わる。
  • Service Cloud コンソールを設定すると、画面上でケースと関連レコードを検索、表示、および編集できる。
  • エンタイトルメントを設定すると、顧客がサポートの対象となるかどうかを指定し、既存のケースがエンタイトルメントプロセスに違反しているかどうかを確認できる。
  • ケースは親子関係の階層構造を持つ。
  • ケース階層

 ・ケース階層には、[親ケース] 項目によって相互に関連付けられているケース
  が表示される。
 ・ケースが親ケースに関連付けられると、類似したケースを追跡しやすいように
  グループ化したり、1 つのケースをさまざまなユーザによって解決できる
  ように複数のケースに分割したりするなど、ケース間の関係を示す。
 ・ケース階層では、子ケースはその上の親ケースの下にインデントされて
  表示されます。
 ・ケースの階層を表示するには、ケース詳細ページの [ケース番号] 項目の
  横にある [階層の表示] をクリックする。
 ・ケースを他のケースに関連付けるには、ケースを編集し、[親ケース] 項目に
  参照先のケース番号を与える。

  • エスカレーションルール

 ・ケースのエスカレーションルールを作成すると、ケースが一定の期間内に
  解決されない場合に自動的にエスカレーションが行われる。
 ・組織には通常 1 つのエスカレーションルールがあり、そのルールは、
  ケースがエスカレーションされる方法を正確に指定した複数の
  エントリから構成される。


ちなみに、

  • ルールの制限 (2012/09/08 記)
制  限  Personal, Contact Manager, Group Edition Profissional, Enterprise, Developer, Unlimited Edition
有効なルール*1 なし オブジェクトにつき最大 50 項目
許可されたルール数合計*2 なし オブジェクトにつき最大 300 項目。1 組織につき 1,000 件
割り当て、自動レスポンス、およびエスカーレーションルール なし Professional Edition、Enterprise Edition、Developer Edition、および Unlimited Edition の場合、それぞれの割り当てルール、自動レスポンスルールおよびエスカレーションルールの制限は次のとおり。3,000 件のエントリ, 300 件の数式条件エントリ, エントリごとに 25 件の検索条件
ルールあたりの使用できるアクションの合計 なし 200
  • 推奨記事

 ・推奨記事は、知識ベースのユーザがケースを迅速に解決するのに役立つ。
 ・新規ケースが保存されるとすぐに、検索エンジンが自動的にケースの
  件名とキーワードが共通する記事を検索する。ケースで作業している
  ユーザは、検索された記事を一覧して、必要に応じてケースに
  添付できる。キーワードを変えて別の検索を開始することもできる。
 ・推奨記事を有効にするには、カスタマイズの [ケース]⇒[サポート設定]から
  [推奨記事を有効化] を選択。
 ・推奨記事と推奨ソリューションを同時に有効にすることはできない。
 ・ケースを送信するときに推奨記事を受信する各利用者 (チャネル) を
  選択する。
 ・推奨記事は、内部アプリケーションとポータルで利用できる。

  • ケースのクローズ

 ・ケース詳細ページで [ケースのクローズ] をクリック。
 ・[状況]、[原因]、その他必要な項目を選択。
 ・組織でソリューションを使用する場合は、ケースの [ソリューション詳細]
  に入力できる。
 ・ソリューション管理者によるレビューを受けるためにソリューションを
  登録しない場合は、[公開ソリューションに登録] をオフにする。
  この項目をオンにしたままであれば、ケースは自動的にソリューションに
  リンクされる。
 ・記事のオプションは、組織で Salesforce Knowledge を使用し、ケース
  クローズ時の記事の登録が有効になっている場合に使用できる。


【アイデア

  • Salesforce CRM Ideas は、アイデアとアイデアに対する投票およびコメントを投稿するユーザのコミュニティ。
  • あらゆる主題に関して議論し、人気ランキングを付けるオンライン提案箱のようなイメージ らしい。

カテゴリ、Ideas
 ・カテゴリは、コミュニティ内でアイデアを論理サブグループに整理する
  ためのもの。
 ・システム管理者は、アイデアコミュニティおよびアンサーコミュニティの
  各カテゴリを定義できる。


コミュニティ
 ・コミュニティは、アイデアと質問を論理グループに整理するためのもの。
 ・コミュニティには、それぞれ独自のテーマ、固有のアイデアや質問がある。
 ・Professional Edition を使用している組織は、
  社内のアイデアコミュニティのみ使用可。
 ・その他のすべてのエディションでは、Ideas、Answers、Chatter アンサーで
  共有されるコミュニティを最大 50 個持つことができる。


Community アプリケーション
 ・Community アプリケーションには、Idea とアンサーの機能がある。
 ・Community アプリケーションは、Force.com アプリケーションメニューから
  利用できる。


コミュニティエキスパート
 ・コミュニティエキスパートは、組織を代表する信頼のおける権威ある立場で
  話すコミュニティメンバー。
 ・コミュニティエキスパートがコメントやアイデアを投稿すると、
  固有のアイコンが名前の横に表示されるため、コミュニティメンバーは
  コミュニティにおける情報の信頼性を容易に判断できる。
 ・Salesforce 管理者は、
  必要に応じてコミュニティエキスパートを何人でも指名できる。
 ・コミュニティエキスパートには、ユーザプロファイルおよび権限セットで
  指定されている以上の特別な権限は無い(アイコンが付くだけ)。
 ・コミュニティエキスパートは公開グループに属している必要がある。
 ・その公開グループは、[エキスパートグループ] ドロップダウンリストで指定
  される必要がある。
 ・コミュニティごとのエキスパートが異なる場合は、各コミュニティ用の
  公開グループを作成する必要がある。
 ・エキスパートのアイコンはCSSを利用して変更可。16x16px以上推奨。


ポイント
 ・ポイントは、アイデアの人気度を表す測定単位。
 ・アイデアに対する投票は 10 ポイント単位。
  (昇格により 10 ポイント加算、降格により 10 ポイント減)
 ・アイデアの総ポイント数がアイデアの左側に表示される。


昇格/降格
 ・アイデアが気に入った場合は、[賛成] をクリックするとアイデア全体の
  スコアから 10 ポイント加算し、気に入らない場合は、[反対] を
  クリックすると、10 ポイント減算する。
 ・同じアイデアを 2 回以上昇格/降格することはできない。また、昇格/降格
  した後でそのアイデアを降格/昇格させることもできない。
 ・Salesforce により、自分が投稿したアイデアには自動的に昇格の投票が
  追加される。
 ・昇格させるより降格させるユーザが多ければ、そのアイデアの全体スコアが
  負になる場合もある。


半減期
 ・[人気のあるアイデア] サブタブで古いアイデアが順位を下げ、新しい投票を
  多く集めているアイデアに順位を譲るまでの期間。
 ・半減期が短いと、長い場合よりも早く、古いアイデアがページの下の方に
  移動する。


ポータル
 ・組織でカスタマーポータルまたはパートナーポータルを使用している場合は、
  [アイデア] タブを一方または両方のポータルに追加して、ポータルユーザが
  Salesforce CRM Ideas コミュニティに参加できるようにすることができる。

  • アンサー

 ・アンサーは、コミュニティアプリケーションの機能の 1 つ。
 ・ユーザが質問したり、コミュニティメンバーが返信を投稿したりすることが
  できる。
 ・コミュニティメンバーは、それぞれの回答の役立ち度について投票し、
  また質問したユーザは最良の回答として回答をマークできる。


【ナレッジ】

  • ユーザが内容 (記事とも呼ばれる) を簡単に作成および管理でき、必要な記事の検索と表示をすばやく実行できる知識ベース。
  • カスタマーポータルまたはパートナーポータルで Salesforce Knowledge が有効になっている場合、顧客およびパートナーは記事にアクセスできる。
  • Web サイト訪問者が記事を参照できるよう、公開知識ベースを作成することもできる。


記事タイプの使用

  • すべての記事は、その内容と構造を特定するタイプに属している。
  • 管理者は、記事データを取り込むカスタム項目を作成し、必要に応じてレイアウト上で項目をグループ化または再編成し、記事タイプテンプレートを選択して、記事タイプを定義する。
  • 記事タイプテンプレートでは、公開記事の閲覧者に対するレイアウトの表示方法を指定し、管理者はタイプの異なる読者や記事タイプに合わせて固有のテンプレートを選択できる。
  • Salesforce は、タブと目次の 2 つの標準記事タイプテンプレートを提供し、カスタムテンプレートの作成には Visualforce を使用できる。


記事の分類

  • データカテゴリにより、Salesforce Knowledge の記事が分類される。
  • この分類は、ユーザが記事の検索に利用でき、管理者が記事の表示を制御するためにも使用できる。
  • データカテゴリが設定されると、記事マネージャは、関連カテゴリをドラフト記事に割り当てることができる。
  • エンドユーザは、内部アプリケーション、カスタマーポータル、パートナーポータル、または公開知識ベースのチャネルで公開記事を検索するときに、カテゴリを使用して情報を簡単に特定できる。
  • 組織がロール階層を使用する場合、データカテゴリへのアクセスは、ユーザのロールによって決まる。


記事マネージャ

  • 「記事の管理」ユーザ権限を持つユーザのこと。ナレッジマネージャと呼ばれる場合もある。
  • [記事の管理] タブにアクセスして記事の作成、編集、割り当て、公開、アーカイブ、および削除ができる。
  • [記事の管理] タブは、「記事の管理」権限を持たないユーザには表示されない。

*1:制限は、有効なワークフロールール、割り当てルール、自動レスポンスルール、およびエスカレーションルールの任意の組み合わせに適用

*2:制限は、有効または無効両方のワークフロールール、割り当てルール、自動レスポンスルール、およびエスカレーションルールの任意の組み合わせに適用